大日本プロレスのトラック故障問題に見るプロレス経営
大日本プロレスが、自社持ちのトラック故障により団体存亡の危機を迎えている。
昨年10月に巡業バス、同12月に機材などを載せるトラックが故障。
今月8日にもう1台のトラックも故障し、計3台の自社車両が全滅。
今後遠方への巡業となるとトラック1台約2万円、バス1台約25万円のレンタル費用が1日ごとにかかるため、経費がかさむ。3月の西日本、4月の札幌巡業までに新たに購入したいところだが、バスは約750万円、トラックは1台450万円かかる見込みで、資金繰りが難しいという。
「売り興行」という興行形態がありまして、ザックリいうと、自団体以外のプロモーターさんに、興行をワンパッケージで売るという手法です。
そのプロモーターさんは、買った興行で利益を得るために、ワンパッケージ代以上になるチケットをさばくというお金の流れです。
団体は、自分たちの営業ルートがない地方などでその形式を執ると、営業努力のコストを省いて、その興行でまとまったお金が得られるというわけですね。
これもザックリですが、だいたい、数百~千人のお客さんを見込む売り興行で、ワンパッケージ100万円が相場といわれています。ただ、若干情報が古いので今現在がどうだかはちょっと分かりません。まぁチケット代はそこまで高下していないので、あまり変わらないと予想しておきます。
このことから、大日本クラスだと、日々の興行でだいたい100万円前後が動いていると予想できるわけです。もちろん、選手への給料、ほか人件費、移動費、デスマッチ団体ならアイテム代など、もろもろの経費込々で100万円です。
となると、1興行での利益は数十万てことです。1巡業で27万の別途コストがかかってしまうと立ちいかないのは容易に想像できます。
こちらでも書きましたが、そんな綱渡りを続けているプロレス団体、どう考えたって、多くの団体は滅ぶのを前提にやっているわけです。NOAHは奇跡的にCA傘下に入れました。DDTは自前の飲食店で選手に経済的下支えをしてやっとって感じです。
女子は若干話が変わって、サイン会やチェキ撮影サービスをやるという、地下アイドル的手法で利益を得ているところがありますね。
さぁ、大日本、ピンチなんですが、自分はもともと、この団体は危ういなぁと思っている事がらがひとつありました。
1月14日に過去最大数の画鋲デスマッチをやりたいです。
— 伊東 竜二 (@deathmatch_ito) 2019年1月4日
皆様からの画鋲を当日まで受け付けています。
その際は新品で箱に入ったままが助かります。
郵送の場合は
〒224-0053
神奈川県横浜市都筑区池辺町4347
大日本画鋲募集係
までよろしくお願いいたします。#bjw#画鋲募集#目指せ20万個
このように、ファンにデスマッチアイテムを募っていたんですね。
自分たちが見せたいものの実現のために、ファンからの好意がないと成立していなかったのです。
自分はここに是非は問いません。人気商売なんですから、そういう継続のさせ方もあるでしょう。ただ、未来を見るのが難しい手法だなとは感じていました。
そこにきて、このバス問題です。
今現在募金を募っているようですが、ローテクでもったいないなと思います。今ならクラウドファンディングサービスがそこかしこにあります。集金するなら、口座を開放しておくのではなく、スマホでちゃっちゃと手軽にできるクラウドファンディングの方が、明らかに集金し易いです。更に言えば海外からも瞬時にお金が送られてきます。
デスマッチは日本が世界に広めたプロレススタイルだと感じています。日本に、世界が知るデスマッチファイターは多い。大日本のストロングBJも、世界のどこに出しても恥ずかしくないプロレスです。
そんな大日本は守られるべきで、1人でも多くの善意が集められ易いクラウドファンディングの手法を取る、今風な選択ができる頭の使い方をして欲しいなと思う次第です。
ところで、NOAHはWWEが日本版NXT化を狙って買収する動きがあったと、あるプロレスメディアで読んだことがあり、どうも、NOAH側が提示した金額が高過ぎて実現しなかったらしいです。
1千万で大ピンチを迎えている今の大日本だったら買えてしまうのでは……と、これは、目に付いた点を線で繋いでみた、自分の妄想です。